公務員の副業が通報されるとどうなる?

副業
この記事は約9分で読めます。

公務員の副業は禁止ということはよく耳にしますね。

それでは一体、公務員の副業が通報によってバレた場合どうなるのでしょうか

この記事を読むと、公務員が違反行為で副業してバレた時、抵触する法律や処分の種類などがわかります。

具体的な事例を紹介して、どのようにしてバレて、どのような処分を受けたのかがわかります。

この記事を読むことで、公務員が違反行為で副業する場合、通報されることでバレる可能性が高く、リスクが高いことがわかります。

それでは、公務員が違反行為で副業することでどうなるのか紹介します。

スポンサードサーチ

この記事を書いた人
橘 隼人

ベストセラー作家:2冊の成功作を持ち、豊かな執筆経験あり。
経験豊富な元公務員:市役所と県庁で計9年勤務。
複数の専門資格:宅建士、行政書士、簿記2級を取得。
不動産・投資のWEB専門ライター:精通した分野での執筆活動に従事。
Twitterはこちら →http://html.co.jp/migmon3

橘 隼人をフォローする

公務員の副業が通報されるとどうなる?

公務員の副業が通報によりバレるとどうなるのでしょうか。

公務員は、国家公務員法第103条、104条または、地方公務員法第38条において、副業を禁止されています。

これらの法律では、営利企業を経営することや役員になること、許可なく副業することは禁止されています。

まず、公務員の副業が通報によりバレるとこれらの法律によって処分されます。

その違反行為が信用失墜行為にあたる場合や職務専念義務に違反している場合は処分が重くなります。

そもそも、副業がバレる原因の多くは誰かからの通報によるものです。

そのため、副業していることは口外しないようにしましょう。

ここでは、信頼失墜行為の禁止と職務専念義務について、詳しく説明します。

信用失墜行為の禁止

公務員には、国家公務員法第99条に信用失墜の禁止という法律があります。

この法律は公務員が、公務員としての信用を損なうことや、公務員全体の名誉を傷つけてはいけないというものです。

この法律は公私共に禁止されていることがポイントです。

例えば、勤務中での横領や収賄、職権濫用、勤務時間外での飲酒運転、営利目的の副業、暴行などがあります。

職務専念義務

国家公務員法第101条は、職務専念義務という法律です。

職務専念義務とは、注意力の全てと勤務の時間を職務に果たすために使わなければならないという法律です。

つまり、勤務中は仕事以外のことに気を取られたり、サボッてはならないということです。

例えば、業務中にスマホで株をチェックすることだったり、バイトによって疲労がたまり業務中に居眠りをしたりすることなどです。

副業が通報されて処分されるとどうなる?

副業が通報されてバレてしまった場合は懲戒処分を受けます。

法律上の処分である懲戒処分には、減給、免職、停職、戒告の4種類があります。

他に懲戒処分にならない、実務上の処分には、訓告と厳重注意の2種類があります。

処分の重さは、重い順に免職、停職、減給、戒告、訓告、厳重注意となっています。

減給

公務員の給料が減る処分です。

国家公務員の場合は、基本給の月額1/5以下の金額が給料から引かれます。

期間は1年以下とされています。

地方公務員の場合は、自治体の条例ごとで異なりますが、一般的には、給料と勤務地手当の合計1/10以下の金額が引かれます

期間は1日以上6ヶ月以下とされています。

免職

免職とは職を失わせること、つまりクビです。

公務員が懲戒処分でクビとなったものを懲戒免職と呼びます。

通常、懲戒免職者に退職金は払われません。

懲戒処分の中で最も重い処分となります。

懲戒免職者は、氏名、年齢、所属、処分内容などが公開されることが一般的です。

そのため、再就職できる確率はかなり低くなるといわれています。

停職

停職は職員としての身分は保持したまま、一定期間職務に就けない処分のことです。

停職の期間は、1日以上1年以下とされています。

停職中は給料、ボーナス、昇給はありません。

また、停職を受けた記録は残るため、昇進に影響します。

副業の許可を得ずに副業してバレた場合は、減給か戒告になるとされています。

戒告

戒告は懲戒処分の中では最も軽い処分です。

戒告は、口頭や文書で強く注意され、反省を促されることです。

先ほどと同様に、副業の許可を得ずに副業してバレた場合、減給または戒告になります。

戒告を受けた記録は残るため、ボーナスや昇進にも影響します。

訓告

訓告は、戒告と同様に口頭や文書で注意され、反省を促されることです。

ただし、戒告と異なる点は、実務上の処分であるため、本人に直接的な制裁は与えられません。

つまり、訓告を受けても給料やボーナス、昇進などの影響はありません

そのため、懲戒処分と比べると軽い処分となります。

厳重注意

厳重注意も訓告と同様に、口頭や文書で注意され反省を促されることです。

処分の内容としては、厳重注意と訓告は大きな違いはありません。

厳重注意は訓告よりも軽い処分という違いがあります。

1つの違反行為に厳重注意が2つ以上あると訓告になります。

スポンサードサーチ

副業が通報された事例

ここまでは、公務員の副業がバレたらどうなるのかについて、どのような法律に触れて、どのような処分があるのか説明しました。

ここでは、実際に副業がバレた時にどうなったのかを具体的な事例を通して説明します。

  • 趣味の動画配信で報酬を得ていたことがバレた事例
  • ゲーム実況で報酬を得ていた事例
  • 小学校教師がソープランド勤務で懲戒免職となった事例

どの事例も通報によってバレています。

公務員が副業する場合、いかに通報されないように副業することが重要なポイントになります。

趣味の動画配信で報酬、市職員を懲戒処分

京都府宇治市の職員が動画配信で報酬を得て副業していたことが発覚しました。

職員は2019年12月〜2020年7月の間、趣味の動画を配信して約26万円の収入を得ていました。

職員は地方公務員法違反として、1か月間の給料が1/10引かれる減給処分となりました。

本来、地方公務員法では、許可を得なければ営利企業に勤めることや報酬をもらうことは禁止されています。

しかし、職員は動画配信することについて許可を得ていなかったということです。

理由は、過去の申請事例や市の基準からは認められない活動であったためとしています。

発覚は匿名による通報でした。

この事例からは、不特定多数に見られる動画は、誰かに見られて通報されるリスクがあることがわかります。

動画配信での副業での処分が減給であったことがわかります。

ゲーム実況で消防士が懲戒処分

和歌山県和歌山市の消防士長が、YouTubeのゲーム実況で報酬を得て副業していたことが発覚しました。

消防士長は約1年間、ゲーム実況動画を配信して約115万円の収入を得ていました。

この消防士長も1か月間の減給、1/10の懲戒処分です。

この事例も匿名による通報で発覚しました。

動画では、本人の声は出ていましたが、顔は出ておらず、他に本人と特定できる内容は話していなかったそうです。

しかし、報酬の支払先は家族名義にしており、副業が禁止であることは認識していたようです。

この事例からも、不特定多数に見られる動画は、誰かが見ていて通報されるリスクがあることがわかります。

しかも、気をつけていても特定する人はいるということです。

この事例でも動画配信での副業は減給で処分されたことがわかります。

小学校教師が休日にソープランド勤務で懲戒免職

東京都多摩地域の小学校教師がソープランドに勤務していたことで懲戒免職となりました。

教師は2020年2月〜2021年4月まで、学校の休日にソープランドに勤務して店から給料を受け取っていました。

この教師は、許可を得ていない副業に加えて、不適切な行為による信用失墜にあたるとして懲戒免職を受けます。

本来の懲戒免職では氏名を公表するものです。

しかし、売春行為法の目的である売春した者を保護し更生させるために、教師の氏名と学校名は公表しませんでした

この事例も匿名による通報で発覚しました。

この事例では、公務員が無許可の副業に加えて、信頼失墜行為の禁止に触れたことにより、違反行為が加重されて懲戒免職に至ったことがわかります。

通報されないための対策

公務員が副業でバレる原因は、誰かからの通報です。

通報されずに副業するポイントは、「本名でやらない」、「顔出ししない」、「口外しない」の3つがあります。

その3つを詳しく説明します。

本名でやらない

ブログやSNSなどのユーザー登録する副業では、ユーザー名を本名で検索するとバレてしまう可能性があります。

副業が波に乗ってくると、ネット検索順位が上位に表示される可能性が高まるため、本名での登録はやめましょう。

ただし、副業先との雇用契約書に記入する氏名は、ユーザー名や偽名を使うと罰せられるため注意が必要です。

顔出ししない

副業での顔出しは絶対にやめましょう

写メや動画、スクショを撮られて証拠が残り通報される可能性もあります。

ブログやSNSアイコンに顔写真を載せる時も、イラストや本人以外の写真を載せましょう。

ただし、勝手に有名人や第三者の写真を載せると肖像権の侵害になるので注意しましょう。

口外しない

最も通報されてバレる原因が口外することです。

新しく副業したり、副収入が得られたりすると、うれしくなって人に話したくなります。

しかし、噂は簡単に広がります。

副業だけでなく、プライベートに関する話題は注意深く選んだ方がよいでしょう。

ただし、注意していても無意識に話してしまう可能性があります。

その場合、普段から「NGワード」を作っておいて、副業がバレる危険性があるワードを記憶しておくとリスクを回避できます。

スポンサードサーチ

まとめ

この記事では、公務員の副業がバレたらどうなるのか、抵触する法律や処分の種類について説明しました。

具体的な事例を紹介し、どの事例も通報が原因でバレたことがわかりました。

公務員が違反行為で副業する場合、通報されることでバレる可能性が高くなります

副収入を得るために大きなリスクを取ることは得策ではありません。

しかし、公務員は正しい手順を踏めば副業できます

正しい手順を踏んで安全、安心に副業しましょう。

画像クリックで著作紹介ページへ移動します。

処女作『副業公務員~仕事以外で稼ぎたい・辞めたい・独立したい市役所、県庁で働く人へ~』配信中!

有料カテゴリーランキング1位獲得!

公務員時代の副業ノウハウを凝縮

本書は地方公務員(志願者含む)のための副業攻略本です。

市役所・県庁で副業を経験した現役著者/ライターが、あなたの副業ライフを加速させるため、「本業以外で稼ぐ方法〜副業をする時間作り、仕事の手の抜き方から独立後の生活まで網羅した一冊」を書きました。

“バレない副業の仕方”や”定時帰りする仕事術”を知りたい方はご一読ください。

スポンサーリンク




タイトルとURLをコピーしました