公務員も不動産投資ができる!公務員が不動産投資を始めるときの条件とは?

不動産投資
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公務員でも不動産経営をしても良いことをあなたはご存知ですか?

副業が禁止されている公務員ですが、不動産投資は正式に認められています

ただし、大規模に行うと副業と見なされるため、ある条件を満たす必要があります。

この記事では公務員が副業に取り組む方法とメリットデメリットをまとめています。

親が賃貸経営をしていて物件を相続した、という方も必ずチェックしておいてください。

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この記事を書いた人
橘 隼人

ベストセラー作家:2冊の成功作を持ち、豊かな執筆経験あり。
経験豊富な元公務員:市役所と県庁で計9年勤務。
複数の専門資格:宅建士、行政書士、簿記2級を取得。
不動産・投資のWEB専門ライター:精通した分野での執筆活動に従事。
Twitterはこちら →http://html.co.jp/migmon3

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どうして公務員は副業が禁止されているの? 

公務員は国に仕えること、国民のために働くことを法律で義務付けられています。そのため、営利を目的とした活動は禁止されています。営利を目的としない活動であれば問題ありませんが、副業の大半はお金を稼ぐことが目的です。よって、公務員は原則副業が禁止されているのです。

国家公務員法、地方公務員法にも具体的に記載されています。

公務員は法律で副業が禁止されている 

公務員の副業禁止は法律に明記されています。

国家公務員法第103条

職員は、営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的と
する会社その他の団体の役員等の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではなら
ない。

出典:国家公務員法(昭和22年法律第120号) -抄-

このように、私企業から隔離されています。名義のみでも兼業に該当します。ただし、103条の第2項では、所轄庁の長等の承認があった場合はこれを適用しない、とされています。つまり、上司の許可があれば副業を行うことが可能ということです。

国家公務員法第104条

職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。

出典:8.国家公務員法(昭和22年法律第120号) -抄-

とされています。単発的な講演依頼や執筆依頼などは報酬が発生しても兼業には該当しないため、許可は不要です。

この他、地方公務員においては地方公務員法第38条によって副業が禁止されています。上長の許可があれば副業が可能な場合はありますが、許可をもらえる副業は限られています。

なぜ副業が禁止なの?公務員の三原則 

公務員だけどうして副業禁止なのか。上述した法律だけでなく、公務員の三原則も影響します。三原則とは

  • 信頼失墜行為の禁止
  • 守秘義務
  • 職務専念義務

の3つです。公務員は国民のために職務に従事する、とされています。その公務員が副業に取り組んでいて本業が疎かになってしまっては信用が損なわれます。このように、職の信用を傷つけ、職員全体の不名誉となる行為を信頼失墜行為といいます。

公務員は職務において重要な情報を知り得る仕事です。このような業務上知り得た秘密は漏洩してはいけません。これが守秘義務です。また、職務中は全力を挙げてこれに専念することが求められており、これを職務専念義務といいます。職務中に副業することは、職務専念義務に反します

公務員が副業する場合、これらの三原則に反しないように取り組む必要があります。

でも、公務員は不動産投資をしてもOK! 

ここまでを読むと公務員は副業ができない、そう思ってしまうかもしれません。しかし、実際には公務員にもできる副業があります。その代表が投資です。投資と言っても様々ですが、本業に支障をきたすような投資はNGです。

具体的には、FXなどの短期投資は平日の日中に取引をすることが多いため、公務員には不向きです。その点、不動産投資は公務員でも取り組みやすい副業です。不動産投資なら何でも良いというわけではありません。一定の条件を満たせば投資と見なされます。

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公務員が不動産投資をするための3つの条件 

公務員でも取り組むことができる不動産投資ですが、3つの条件を満たす必要があります。これらの条件から外れてしまうと、兼業と見なされ処分の対象となる可能性があります。

3つの条件は人事院規則14-8において以下の様に規定されています。

・投資物件は4棟9室以下の規模であれば兼業にあたらない
・賃貸収入は年額500万円未満とする
・自身による管理業務の禁止

出典:人事院規則14-8

規模が大きいとダメ!4棟9室以下で 

不動産投資とは、アパートやマンションなどを購入し、それを第三者に貸して家賃収入を得ることです。つまり、貸すことができる部屋の数だけ稼ぐことができるということです。しかし、公務員が不動産投資できる範囲は4棟9室以下と決められています。土地の賃貸に関しても賃貸契約が10件以上は禁止されています。駐車場も駐車台数10台以上は禁止されています。

10という数字が1つのキーワードのように思えます。いずれにしても少々物足りない数かもしれませんが、公務員である以上この数字は必ず守りましょう。ちなみに、独立家屋の賃貸は4棟以下です。5棟を超えると自営とみなされます。

収入は500万円未満が鉄則! 

利益ではなく家賃収入が500万円未満です。500万円を超えると処罰の対象になる可能性があります。実際には不動産投資の場合、物件の管理は外部に委託することになるため、収入から必要経費が差し引かれた額が利益となります。

例えば、家賃4万円の部屋が9部屋あり、満室であったとすると

4万円×9部屋×12ヵ月=432万円

なので、4万円の家賃で満室稼働する分には問題ありません。

しかし、家賃が5万円になると

5万円×9部屋×12カ月=540万円

となり、500万円を超えてしまいます。

5万円という家賃が安いか高いかは地域によって異なります。また、家賃自体は周辺の物件の家賃相場と比較して決める必要があります。つまり、不動産を購入する場所は重要ということです。

管理は業者に委託しよう 

不動産投資において、不動産の管理は管理会社に委託することが一般的です。不動産管理とは、以下のような業務全てを指します。

  • 空き部屋が出たら募集をかける
    賃貸募集サイトなどに掲載し、応募があれば見学や賃貸契約を行います。不動産の所有者が住人と接触することはほとんどありません。
  • 家賃の集金
    最近は現金で集金することは少なく、振り込みや引き落としです。家賃がきちんと支払われているかどうかを確認します。
  • クレーム処理
    騒音やゴミ捨て等様々なトラブルが起こります。雨漏りや建物の破損など、すぐに対応しなければ生活に支障をきたすこともあります。これらに即座に対応します。
  • 清掃や設備の管理
    オプションになることもありますが、物件保持のためのランニングコストとして必ず考える必要があります。

これらの管理業務を自分で行うとなると、本業に支障が出ることは明らかです。必ず外部の管理会社に委託しましょう。家族に管理を依頼するという方法もありますが、自分が関わっていないことを証明することが難しい場合があります。できれば避けた方が良いでしょう。

規模が大きくても許可を得れば可能! 

上記の条件を超えてしまう場合は上長の許可が必要です。許可を得ることができれば規模が大きくても問題ありません。申請して許可をもらえるケースとして相続があります。

本人の意思とは関係なく、親が賃貸経営をしていてそれを相続することになるというケースがあります。他には転勤などによって新築の家に住めなくなってしまい賃貸にすることにした、というケースも考えられます。このような場合、所属長や人事課の担当者に相談する事で賃貸経営を認めてもらえる可能性があります。

ただし、管理業務は外部に委託しましょう。管理会社を作ってそこで家族を雇用して給料を払う、という方法も考えられますが、新たな事業と見なされる可能性がありますので注意してください。

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公務員は不動産投資と相性バツグン 

一般的な副業として不動産投資に取り組む方は多くいます。しかし、副業禁止の公務員にとって、実は不動産投資は多くのメリットがあります。ここではなぜ公務員が不動産投資に有利なのか解説していきます。

融資を受けるときの条件がいい 

不動産投資はまず資金調達です。物件を購入するためのキャッシュが必要です。融資において、公務員の最大のメリットが与信の高さです。与信とは、金融機関の融資や融資枠の供与などをいいます。公務員は信頼度が高いため、一般のサラリーマンに比べて与信が高くなります。与信が高いと言うことは審査に通りやすく、融資金額も多くなります。さらに、金利などの条件面でも優遇される可能性があります。

年間500万円未満の収入で少しでも利益を増やすためには、支出を抑えることが大切です。少しでも低い金利で融資を受けることができればそれだけ利益が増えるということです。公務員であるという利点を生かすことができると言えます

収支計画が立てやすい 

国家公務員の給与は人事院規則という法律に基づいて決められます。地方公務員の給与は給料表に基づいて決められます。年齢だけではなく職務によって異なりますが、おおよそ年齢と共に給与が増えていく年功序列型の給与体系が公務員の特徴です。

サラリーマンの出世には能力による差が大きいですが、公務員は将来の給与が予測しやすく収支の計画が立てやすいといえます。多くのサラリーマンが不動産投資に踏み出せない理由の1つが将来への不安です。そのため、借り入れにおいても返済の計画を立てやすく、初期投資が必要な不動産投資においては有利です。

公務員が不動産投資をするときの注意点 

公務員が不動産投資においてメリットが多いことは分かりました。しかし、同時に注意するべき点もあります。簡単に始められるからといって見切り発車で不動産を購入してはいけません。以下の注意点を意識して不動産を購入しましょう。

エリアは十分にリサーチする 

不動産投資においてエリア選びは重要です。エリア選びのポイントとして、以下の点を参考にしましょう。

  • 人が集まりやすい場所
    賃貸を利用したい単身者が集まる地域を選びます。関東圏や都市部に人口は集中していますが、田舎であっても人が集まるエリアはあります。コンビニやスーパーの立地や駅へのアクセスなどを考え、空室リスクを減らしましょう。
  • 住みたい街ランキング
    住みたい街ランキングが大手の賃貸サイトで公表されています。人気の高いエリアを見つけることができます。賃貸需要の予測に役立てましょう。
  • 都心へのアクセス
    駅近物件は高いからなかなか手が出せないものです。それは賃貸を借りる人にとっても同様です。都心に近い方がいいけど、高いからあきらめて少し遠くに住む方はたくさんいます。その際の賃貸選びのポイントが都心へのアクセスです。距離が近くて乗り換えが多いより、電車やバス1本で行ける方が便利です。

他にも、災害の起きやすいエリアではないか、今後人口減少の懸念はないかなどを加味して選びましょう。

悪質な不動産会社を選ばない 

不動産会社も公務員が与信が高いことを知っています。不動産会社は仲介手数料で利益を得ているため、悪質な不動産会社になると高額な物件を勧めてくることもあります。高額な物件であれば高い利益が出るとは限りません。利益が出る物件であるかどうかを自分で判断しましょう。

管理会社選びにおいても手数料が安く、信頼できる会社を選びましょう。

確定申告を忘れずに! 

不動産投資に取り組むということは確定申告が必要になると考えて下さい。確定申告は年に1回、2月16日~3月15日の間に行います。青色申告を行う場合は「青色申告承認申請書」を税務署に提出するなど、事前の準備が必要です。不動産投資を始める前から確定申告について調べておきましょう。

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まとめ 

公務員の不動産投資についてまとめました。公務員は副業が禁止されていますが、不動産投資は制限内であれば取り組むことができます。与信の高さなど公務員のメリットを生かすことができます。必ず確定申告を忘れないようにして取り組んでください。

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