公務員がFxの取引を行なったとき、不祥事として処分を受けることがあります。
公務員は副業を禁止されているため、FXも副業と見なされているのでしょうか?
しかし、厳密に言えば公務員がFXの取引を行うことは禁止されていません。
処分される原因として最も多いのは、職務専念義務に違反することです。
とはいえ、どのようにFXを行うことで職務専念義務に違反してしまうのか
正確に知っている方は少ないと思います。
そこでこの記事では、規則を守りながらFXをするために
不祥事を起こしてしまった事例をご紹介します。
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公務員によるFX関連の不祥事の原因は主に勤務時間内に取引すること
- 最も多い事例が職務専念義務違反である
公務員は国家公務員法第101条、地方公務員法第35条によって
職務専念義務が定められています。
職務専念義務とは、公務員が働く上での義務として
職務時間中は与えられた仕事に全力で専念することを求められるものです。
職務時間中に職務に関係ないことで時間を使ってしまうと
職務に専念していないと見なされるため
職務専念義務に違反してしまいます。
勤務時間内にFXをすることは、職務に関係ないことをしており
職務に専念しているとは言えないため、職務専念義務違反となるのです。
公務員がFXをするのは勤務時間外であれば法律的にも問題はない
公務員は、国家公務員法や地方公務員法で定められている通り
職務専念義務を守らないといけないので、仕事中にFXをすることはできません。
しかし、職務時間外になる時間であれば、公務員でもFXできます。
公務員は営利事業である副業は
国家公務員法や地方公務員法にて禁止されていますが
資産運用扱いになるFXであれば規制がないので罪に問われないのです。
ただし、職場の規則によっては禁止されている可能性があるため
就業規則はしっかりと確認しましょう。
職務専念義務は違反してしまいやすいため
職務専念義務をしっかりと守れれば
FXをして罪に問われることを防げます。
公務員によるFX関連の不祥事の例
公務員が株式やFX関連の取引していたことによって起こった不祥事の例を紹介します。
最も多い事例は職務専念義務違反になりますが
公務員だからこそ知り得る情報を漏らしてしまう守秘義務違反などの不祥事も起きています。
以下3点の不祥事の例から
職務専念義務や守秘義務に違反したときにどのような罰則があるのかを知り
法令に違反しないようFXに取り組みましょう。
職務専念義務違反
1つ目の職務専念義務を違反した事例として
国税徴収官が減給処分になった事例です。
勤務時間中に株取引をして職務専念義務違反となり
減給10分の1(3ヶ月)とする懲戒処分になっています。
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東京国税局は14日までに、勤務時間中にスマートフォンで株取引をしたのは
国家公務員法が定める職務専念義務に反するとして
都内の税務署に勤める国税調査官(41)を減給10分の1(3ヶ月)とする懲戒処分を発表した。
同局によると、徴収官は2013年1月~17年8月、勤務中に証券会社のサイトにアクセスし
計1314回取引した。
日経新聞
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職務専念義務違反②
2つ目の職務専念義務を違反した事例として
神戸公安調査事務所長が勤務時間中にネットで株取引を行なっていた事例です。
こちらも勤務時間中に株取引して、職務専念義務違反となり
停職1カ月の懲戒処分になっています。
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勤務時間中にインターネットで株取引を行なったとして
公安調査庁は昨年12月25日、神戸公安調査事務所の男性所長(54)を停職1ヵ月の懲戒処分にした。
所長は同日付で、依願退職した。
また、監督責任があったとして、所管する近畿公安調査局の前局長(59)と現局長(60)を
同日付で厳重注意とした。
公安庁によると、所長は13年1月から昨年12月にかけて、所長室で公務用パソコンや
自身のスマートフォンで、勤務時間中に約300回にわたって株取引をし、国家公務員法
(職務専念義務、信用失墜行為の禁止)に違反したとされる。
リアルライブ
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守秘義務違反
厳密には、守秘義務違反という違反で罰せられてはいないですが、
公務員だからこそ知り得た情報を使って株式の取引が行われたインサイダー取引の事例です。
インサイダー取引は、その職務や地位により知り得た、投資者の投資判断に重大な
影響を与える未公表の情報を利用して、自社株などを売買して自己の利益を図ろうとするものです。
そのため、業務で知り得た秘密を漏洩しないための義務に当たる守秘義務にも違反することになるでしょう。
以下がインサイダー取引容疑で逮捕されてしまった事例になります。
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経済産業省幹部のインサイダー取引疑惑で、東京地検特捜部は12日、半導体大手、
エルピーダメモリとNECエレクトロニクス(現ルネサスエレクトロニクス)の
未公開情報を基に両者株を買い付けた疑いが強まったとして、
前資源エネルギー庁次長を金融商品取引法違反(インサイダー取引)容疑で逮捕、
証券取引等監視委員会と合同で東京・世田谷の前次長宅を家宅捜索した。
半導体業界などを所管する経産省商務情報政策局の審議官を務めていた2009年4月21~27日
NECエレとルネサステクノロジの合併計画が公表される前に
NECエレ株計約5千株を7回に分けて約490万円で購入した疑い。
日経新聞
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公務員でも休憩時間であればFXをしても不祥事にならない
勤務中にFXしてはいけないが昼休憩中はどうなるのか
- 休憩時間中は職務専念義務が免除されます。
そのため、法や規則で決められた休憩時間内であれば
FXをしても不祥事にはなりません。
休憩時間は職務から離れて完全に自由になる時間なので
自分の時間として使えます。
Fxのような資産運用でもいいですし
自宅に帰ったり他の用事を済ませたりといったことも自由です。
ただし、休憩時間を過ぎてしまうと職務専念義務が発生するので注意が必要です。
どうしてもFXの取引が気になってしまう方は
休憩の時間内に確認や取引を済ませるようにしましょう。
公務員の休憩時間とは
- ほとんどのところが12:00~13:00とされている
休憩時間は、国家公務員であれば各省庁の長、地方公務員であれば任命権者によって決められており、一般的に12:00から13:00とされています。
公務員の休憩時間は以下の通り定められます。
- 国家公務員の休憩時間は、勤務時間法第9条に基づいて人事院規則により各省庁の長が決めます。
- 地方公務員の休憩時間は、各自治体が定める職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例に基づいて
職員の勤務時間、休憩時間等に関する規定により任命権者が休憩時間を決めます。
ただし、専門職や技術職のように職種によっては、勤務時間が異なる場合があるので
そのような職種に就かれている方は休憩時間が変わる可能性はあります。
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休憩時間は職務専念の義務が免責される
休憩時間は職務専念義務が免責されます。
免責される理由は、公務員の休憩時間も労働基準法第34条に規定される
休憩時間と同様に扱われているためです。
休憩時間は、労働時間の間に設けられた労働者が権利として
労働から離れることを保障された時間であり
「労働時間の間に設けられている」「労働から離れることが保障される」「一斉に与えられている」という
3点を満たしている必要があります。
職務中の休憩時間は上記の3点を満たすので、職務専念義務が免責されるのです。
公務員が休憩時間にFXをする際の注意点
休憩時間にFxをする際の注意点は、以下の3点です。
- 休憩時間内に取引を終わらせる
- 周りの目がない場所でFxをする
- 職場のパソコンでFxをしない
休憩時間内にFxをすることは問題ありませんが
取引が終わらず休憩時間が過ぎてしまうと
職務専念義務に違反してしまうので注意が必要です。
職場の上司・同僚など周りの目があるところでFXをしたり
職場のパソコンを使用したりすると、FXをしていることがバレてしまうので
職場内でFxをすることはやめた方がよいでしょう。
休憩時間内に取引が終わらないと職務専念義務違反
休憩時間内に取引が終われば、職務専念義務違反にはなりません。
しかし、休憩時間が終わった後に
FXを続けてしまうと職務専念義務違反になります。
休憩時間を過ぎた場合、職務時間中という扱いになるので職務専念の義務が発生します。
取引に集中し過ぎて、休憩時間が終わったことに気づかず
そのままFxの取引を続けてしまうと職務専念義務違反となるのです。
周りに知られて通報された場合、不祥事に繋がってしまうでしょう。
勤務時間内に取引をしてしまわないように、FXと冷静に向き合っていくことが重要です。
振替の休憩時間は職務専念義務免責の対象外
通常、休憩時間は12時から13時と決められていることが多いですが
職場によっては12時から13時の時間に電話当番などが割り当てられ
休憩時間がずれることがあります。
例えば、公務員のお役所では「昼当番」という当番が存在します。
休憩時間が振り替えられた休み時間は
職場で便宜的に対応されているものであるため
正確には職務専念義務が適用されません。
そのため、振り替え時間に休憩を取りFXの取引していた場合、
職場の同僚などにバレたとき職務専念義務違反だと指摘されてしまいます。
振替の休憩時間には、FXで取引しない方がよいでしょう。
FXしていることがバレることがある
FXをしていることがバレることがある原因は
FXの取引していることを人に見られてしまうことです。
職務時間外であっても、休憩時間に職場の近くでFXをしていると
上司や同僚に見つかる可能性があります。
今はスマートフォンでどこでも簡単にFXの取引ができるようになりました。
どこでもFXができる分、周りの目に触れる機会も増えるため
職場の上司・同僚と会う可能性がある場所でFxするのはやめましょう。
もちろん、上司や同僚に自分から公言してはいけません。
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まとめ
今回は、FXをしたときに不祥事になりやすい事例を紹介しました。
公務員がFXをすることは禁止されていませんが
取引する場所、時間を選ばないと、職務専念義務違反になりかねません。
Fx関連の不祥事で、最も多い事例が職務専念義務違反です。
休憩時間中にFXの取引はできますが
取引できる時間も短く、集中しすぎて休憩時間を超過してしまうと
職務専念義務違反になるので注意しましょう。
職務中に離席して取引することも絶対にしてはいけません。
規則を守り、不祥事にならないようFXをやりましょう。
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